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踏む前に踏み外す

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骨折で自粛が求められる以前に、コロナ禍で条件的に危ないところにいる事を自覚していたから
言われるまでもなく、大人しくする毎日を送っていた。

日頃から、「運動のための散歩」は苦手。
ショッピングをしている内に、あるいは観光している内に歩いていた、というのが私の理想。
お叱りを受けるのを承知で言えば
「歩くために歩く」というのは、ハムスターのぐるぐる回るケージがちらつく。(;^_^A
だから、散歩して足腰鍛えなきゃ、という発想は通常ないんだけれど
さすがにコロナ禍で運動量が減っていたから、何かしなきゃとなり
友人が持っているという「足踏み昇降台」を買ってみることにした。
ふふん。ランニングマシーンとどう違うんだって問いかけは
受け付けないでおこう。(笑)
ちなみに、友人は持っているだけでどうやら使用していないらしいけど。('_')

日曜日に届くはずだった。
その前日の土曜日、どういう風の吹き回しか
明日足踏み昇降台が来るから歩いておくかと、おかしなスイッチがはいって
自分から散歩しよう!とカンチを誘った。
10年に一度もないこと。
そして、転んだ!
ほら!言わんこっちゃない。(-_-)

マスクで眼鏡が曇るからと、眼鏡をかけずに歩き、目の前の段差が全く全く見えていなかった。
散歩に出て10分もしない内だった。
日頃やらないことをやるからやん!(-_-)/~~~ピシー!ピシー!
その妙な積極性を捨てなさ~い♪
時すでに遅し、私の肩は砕けていた。くすん。

その翌日に足踏み昇降台が届いた。
物語ができすぎている。
1日待てよな!って、誰に言ったらいいのか
痛む肩をさすりながら自問自答。(--;)

その踏台、今まだじーっと横目で見ている。
コイツ、用心しなきゃってね。
すっかり悪者。

# by doublestrings | 2020-06-13 11:16 | その他 | Comments(0)

1本足らないんです!

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当たり前だけれど、筋肉はレントゲンには写らない。
開けてみて(手術)初めて筋肉の状態が分かるというもの。
そして分かったことがある。

インナーマッスルという筋肉が、肩から腕の骨を支えて
骨の頭の周りに、何本かあるらしいんだけど
私はそれが1本足りないということが、開いてみてわかった。

今回の怪我で千切れたというのなら、その痕跡があるはずなのに
きれいさっぱり、無いんだそうな。
これには整形外科の先生も、首をひねっておられ
リハビリの先生にそのことを伝えたら、手が止まって
聞いたことがありません、と絶句された。

1本足らないからと言って、何か不自由したとか、問題に感じたことは今までになく
普通に動かし、普通に過ごしていたんだけどね。

手術前の目標は、腕が頭の後ろまで回って
髪を苦もなく洗えるようになることと言われていたのに
インナーマッスルが1本足りないことが判明して
先生の言葉がなんとなく怪しくなってきた。
なにしろ、プレートを入れるにも、ボルトで固定するにも
筋肉が足りないというのは、かなり致命的なようだから。

これは難儀だと思う反面、今までも無かったんだし、先生ほど深刻には感じていない私。
そう、まともな数のインナーマッスルを持ったことがないんだったら
私にとって無いのが当たり前。「普通」
もしまともな数があったら、曲芸ができたかもしれない(笑)<どこまでお気楽?(;^_^A
膝の腱を切って手術した時も、今後膝は90℃までしか曲がらないだろうから
正座は諦めてください、と宣告されたけど、今は平気に正座している。
ただ、先生の経験則からすると、完全な回復は難しいというのが本音だろうけれど。

膝のリハビリの時は、豪快な女先生と気が合って
リハビリが楽しくて待ち遠しいくらいで
自宅でもちゃんと言われた通りのリハビリをし、現場では笑い転げながら体を動かしていた。
結果、正座ができるようになった。

うん。どうやら、リハビリが楽しいか否かが
私にとってその後を大きく左右するのかもしれない。<非科学的!
けど、今回の若いリハビリの先生は、結構真面目やしなぁ。
「実は1月に内蔵で入院してたんです」なんて、いきなり気弱な告白をされて
反対に私が励ましているくらいで…(笑)
何とかして楽しく過ごし、できれば以前のように動かせるようにならへんものか。

諦めずにのんびりやるしかないかな。
だってね、腕が思うように動かないと、着物が着れないよ。
↑そこ?(-_-)


# by doublestrings | 2020-06-12 11:03 | その他 | Comments(0)

二人の絵描きさん

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入院中の差し入れに、2枚の絵が添えられていた。
お兄ちゃん(3~4才)の描いてくれた絵。
以前私が飛び出す絵本やカードをプレゼントしたことがあったので
彼は私の顔を描いて、その部分を飛び出すようにしたかったらしい。
やりようによって、それは可能だったけれど
慣れないお母さんはそれを貼り付けたという。

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更に妹ちゃん(2才くらい)も、描いてくれた。
当初、反対側から眺めてしまい
象の絵だろうかと推察していたけれど、ひっくり返せばそれは私の顔だった。

お母さんが二人に私の怪我のことを話したら
心配して、自ら絵を描くと言ってくれたらしい。
二人とも近辺では会ってないのに、描いてくれたのは私の顔だった。

敵わないね。
ほんとに、まいっちゃう。

コロナや怪我で、普段の生活ができない中、だからこそ知った足元の幸せを感じる毎日。
多くの忙しい人たちのように、決して日々追われているわけではないのに
見落としていることが一杯あるんよね。
自粛自粛、怪我で更に自粛で、ついギスギスしがちになるけれど
もっと優しくなりたいなと思う。

ありがと。


# by doublestrings | 2020-06-10 10:26 | その他 | Comments(0)

まな板の鯉

まな板の鯉_e0367545_17042133.jpg

手術は朝一番で、思い悩む時間がないのがいい。
もう、まな板の鯉だから
自分でも不思議なくらい怖さもない。
むしろ、手術をすれば、あとは治るだけ。
今「底」にいるんだから、あとは浮上するのみ。
そんな気持ちで朝を迎えた。

何度も入院して痛い目にあっているからかもしれないけれど
傍からみても、ケロリとしているらしい。
自慢することじゃないけど、ね。

コロナ対応で、面会禁止になっているものの
手術をする際には不測の事態に備えて、必ず家族の立ち合いが必要で
手術室の前で、手術前後にちらりと面会ができ
手術中は1階で待機して、何かあった場合に家族には備えてもらう必要があるということ。

点滴棒をガラガラと引っ提げて、歩いて手術室に向かう。
手術室の前には、神妙な顔をした家族が何組か座っている。
その中にカンチを見つけ「行ってくるわ」と言ったような記憶。
寝たきりになった重症なお年寄りのベッドに
すがって泣き声になっている人たちを見たことがあるけれど
点滴棒を転がしながら、あっさりと手術室の自動ドアをくぐった。

これがもし反対の立場だったら、私はしょげていたかもしれない。
そう思うとカンチに感謝。
こんな伴侶をもっていると、カンチも鍛えられるというもの。

たくさん並んだ手術室の奥のひとつに案内され
手術台に上がって、右手に血圧計、胸に心電図…
カバっと吸入マスクをはめられた数秒後、私は意識を無くす。
簡単なもんやね(^^;
これに抵抗できる人はいない。
このあと人工呼吸器を装着されたらしい。

どれくらい時間が経ったんだろう。(実際は2時間ほど)
肩をポンポンと叩かれて名前を呼ばれる。
はい、と返事するものの、ここがどこなのか、何をしていたのか、状況が理解できず
終わりましたよという声に、やっと事態を飲み込む。

ベッドのまま手術室を出ると、またカンチの顔。
大丈夫か?と覗き込むカンチに、大丈夫!と発すると
なぜか声がかすれていた。
たぶん人工呼吸器を装置していたからだろう。
はきはきと答えるよりは、術後らしかったか?f(^^
そのまま病室へ運ばれる。
あとはうとうとと数時間、すっかり麻酔も冷めて、自分で手洗いにも行った。

腕の骨の頭、砕けた骨はすべて拾い、元の位置に戻してくれたそうで(そんなことができるのか)
腕の骨に沿って縦長の10㎝のプレートを入れて
プレート上の部分を長いネジ5本で、下の部分を短めのネジ3本で止めたらしい。
そのために、ネジを打ち込んだ2か所を切開したという。

不思議なのは、痛みが全くないこと。
膝の腱の手術した際はのたうち回るほど痛み、モルヒネを打ってもらったから
今回もある程度覚悟していたものの、拍子抜けするくらい痛みがない。
奥の方にずっしりした重さがあるものの
看護師さんから勧められるまで痛み止めを頼まないほど。

更に驚いたのは、3日目にして初めての傷口の消毒。
それまでは傷口を触らない。
消毒も、綿棒でちょんちょん!
薬も何も塗らずにガーゼをあてただけ。
その上に防水シートを貼って、はい!シャワーも浴びていいですよって。
外科というのは、本当に分かりやすいと感心。

嬉々としてシャワーの準備をするものの
さすがにひとりではシャワーできず、ヘルパーさんに手伝ってもらうことに。
私は左手を右手で支えたまま動けず
まるで犬洗いのように、されるまま。
だけどさっぱり!すっきり!
長靴を履いて、汗をかきながらお手伝いくださっているヘルパーさんの
手際のいい仕事ぶり、気を紛らわせる楽しい会話に感謝する。

歩くよう促され、外科病棟の周り、結構距離があるので
ぐるぐるぐるぐると早足に歩く。
これじゃまるで回遊魚!と笑えてくる。
通過する病室の隙間から見える患者さんの様子は様々で
若者の多くはスポーツで骨折したように想像でき、総じて元気。
一方消化器外科の患者さんはどんよりしんどそう。
1周回っても2周回っても、時間が止まっていた。

コロナ対応で、病院の入り口で発熱外来を分けているからだろうか。
入院病棟では患者はマスクを義務づけられておらず
自主的にマスクをしている人はいるものの、少数。
私も入院前は気になったので、マスクを何枚も持参していたけれど
個室ということもあり、パジャマになった途端、マスクをしなくなった。
むしろ患者は、切った貼ったの痛みに気がいっていて
下界にいるより、ずっとおおらかだった。
少なくとも私は入院中はコロナを忘れた。 

結局は何が一番気になっているか、何が一番大変かに尽きるのか。
「コロナ手術」で、コロナを忘れた。

世の中の大騒ぎをよそに、人間て勝手なもの、現金なものだと苦笑い。


# by doublestrings | 2020-06-08 13:21 | その他 | Comments(0)

本当に転んだ!

本当に転んだ!_e0367545_11130454.jpg

長い間お休みして、申し訳ありませんでした。
実は表題の通り、5月のある日、本当に転んでしまい
あろうことか、なんの防御もせずに
左肩と左腕の繋ぎめを地面(板)に叩きつけて強打してしまって。(;^_^A

まあ、強度の打撲だろうと甘くみて1日。
腫れて痛みも増し、手がテーブルに上がらないとなり
地域の休日救命センターに駆け込んだところ、骨折が判明した。
左腕を三角巾で吊り、腕と身体をぐるっと固定する20㎝くらいの幅のギブスを装着。
翌日改めて専門病院を受診すると、入院・手術の宣告を受けた。
左肩と腕の繋ぎめの、腕の骨の先の丸い部分が砕け、4mmずれていて
更に、腕の骨に縦にも横にもひびが入っているという、かなり重症な所見。
ちなみに骨で4mmずれるというのは大変なことらしい。

もう少し年齢がいっておられたら、もしかしたらこのままにして
その代わり、手が上がらなくなる不自由なことになりますが
まだお若いですし(とドクターはカルテに目を落とし)手術を勧めます。

もしこれが自分の両親であったとしても、手術を勧めますね。

なるほど、確かにドクターの親の年齢かもしれない。
「親だったら」という例えはもう、患者にとっての「決め文句」
お願いします、としか言いようがなく、頭を下げる。

日頃から、「入院コロコロバッグ」を用意しているが
コロナ対応で、カンチの分も含めてバッグの中を点検していたのは虫の知らせだったのか。
翌日、そのバッグを転がして入院。

病院はコロナ対応のため、面会は一切禁止。
もし何かを差し入れする場合は
病棟の看護師さんが1階受付まで取りに降りてくれ
家族でも一切病棟・病室に上がれないことになっていた。
少し心細くもあったけれど、若者なら2泊3日、私の場合3泊4日くらいで退院できるということなので
(これには驚いた)
1階でカンチとさっぱりと、さいならとお別れ。
これが月単位の入院なら、ちょっとしょんぼりだったかも。

コロナのこの時期だからだろう。
個室を希望するも、広い個室は満室で、数日なら我慢できる範囲の個室に入る。

部屋に案内されて一人になり、まずは荷物の整理をするべくコロコロバッグを開けようとするも
これが片手でなかなか広げられない。
やっと開けられて、荷物を片付けるのにも痛みが走る。
これくらい何とか自分で、と思うものの、着替えはどうしてもできず
入院の手続きや、手術前の準備で出入りする看護師さんの手を借りて着替えをする。
その最中も、いたっ!いたたたっ!の叫び声をあげていた。

一息ついて落ち着いてから、明日の手術を前に、飲食の制限など、あれこれ説明を受けたあと

明日は全身麻酔で人工呼吸器をつけることになりますから、後程麻酔科の先生に呼ばれますので、説明を聞いてください。

え?全身麻酔?人工呼吸器?
この時初めて、事態が大ごとなのを知る。
やったことないもん、全身麻酔や人工呼吸なんて。

幸い右手は無事なので、手伝いましょうかという看護師さんの申し出を断り
食事も洗面も痛みに叫びながら、なんとかこなす。

ベッドに腰掛け「やっちまったなあ」と肩を落とす夜。
決められた時間内の水分補給などの数々の手順を守りながら
もう10才後だったらできただろうか、と「今日より若い日はない」と痛感。
痛みの中、しずしずと眠りについた。







# by doublestrings | 2020-06-08 11:25 | その他 | Comments(0)

空の向こうに


by doublestrings