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気づかいすれど、おかまいせず

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美山荘のおもてなしは、まさにタイトルの通り
気遣いはしますが、おかまいはしませんというもの。
自然以外何もないけれど、それがご馳走。
静かに自然に馴染んで同化していく。
そこにむやみに「他」を差し込んで、おかまいはしない。
あちこちに気づかいはあるけれど、放っておいてくれる。
けど、忘れられてる感じもしないし、心地よい。
放っておいていいことを見極め
「上手に放っておく」って、結構ハードルが高いのかも。

さて、ここまで何回かに分けてつらつらと書いてきて
まぁなんと厚かましいことよ。
我が親戚を謙虚さもなくべた褒めしてるやん…

そ、気づくと全く第三者の気分で楽しんでいて
多くのお客と同じように、帰り際にまた来たいと口走ってしまう。
そして、美山荘から帰るといつも、自分の生活を見直すことになる。
もちろん、美山荘でのことは非日常なんだけど
あそこには忘れたくないもの、忘れているものが一杯あって
自分を立て直す場所になっているのかもしれない。
東京の常連さんの気持ちがよくわかる。

時々不思議に思う。
この文明の中にあって、何故敢えて不便なもの、場所に惹かれるのだろうかと。
あんな山奥の、テレビもない、自動販売機もない、もちろんコンビニもない。
新たに手にいれたものがことごとく無いところなのに
心落ち着くのはなぜだろうかと。
私たちは便利さを追及してきたはずなのに…ね。
早く、簡単に、便利な方向に矢印を向けていたはずなのに…ね。
もしかしたら、「私」の中にある原始的、動物的なものが
何か不安を感じているのかもしれない。
この便利さに浸り過ぎるのは、生き物として不自然だよって。
普通ならできないこと、苦心することが、あまりに簡単にできているのを
何か錯覚してないかって。

そんな揺れ戻しがあるのかなぁとも思いつつ
次はいつ、誰と来れるかなと
ワクワクしながら、当てのないその日を待っている。



by doublestrings | 2019-05-23 15:23 | | Comments(0)

空の向こうに


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